疾走

2005年7月13日 読書
「どうして、にんげんは死ぬの?」舌足げなおまえの声が言う「にんげん」は、漢字の「人間」とも片仮名の「ニンゲン」とも違って、とてもやわらかだった。そのくせ「死ぬ」は輪郭がくっきりとしていて、おとなが言う「死ぬ」のような照れやごまかしなどいっさいなく、まっすぐに、耳なのか胸なのか、とにかくまっすぐに、奥深くまで届く。 想像を絶する孤独のなか、ただ、他人とつながりたい…それだけを胸に煉獄の道のりを懸命に走りつづけたひとりの少年。
ISBN:4048734857 単行本 重松 清 角川書店 2003/08 ¥1,890

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